ガーデニングを始めたばかりの頃は、美しい花を咲かせたいという気持ちでいっぱいですが、同時に悩まされるのが害虫の存在です。どんな虫がどんな花につきやすいのか、どうやって対処すればいいのか、分からないことも多いでしょう。ここでは、初心者の方向けに、代表的な花の害虫とその対策の基本をご紹介します。まず、多くの花に共通して発生しやすいのがアブラムシです。新芽や蕾に集団で発生し、植物の汁を吸います。見つけたら、数が少ないうちならテープで貼り付けて取る、牛乳を薄めたスプレーをかける(乾くと窒息させる効果があると言われます)、あるいは園芸用の殺虫剤を散布するのが効果的です。次に、パンジーやビオラ、ペチュニア、ナスタチウムなどの葉や花を好んで食べるのがナメクジやカタツムリです。夜行性なので、昼間は見つけにくいですが、這った跡がキラキラと光っていることがあります。夜間に見つけて捕殺するのが確実ですが、ビールを入れた容器を置いて誘い込む、あるいは市販の誘殺剤を使用する方法もあります。株元を清潔に保ち、隠れ家となる落ち葉などを取り除くことも予防になります。バラやつばき、サザンカなど、特定の植物を好む害虫もいます。例えば、バラにはチュウレンジハバチの幼虫が発生しやすく、葉を食い荒らします。見つけ次第、捕殺するか薬剤で駆除します。ハダニは、乾燥した環境を好み、葉の裏について汁を吸います。葉の色が悪くなったり、かすり状の斑点ができたりしたら疑ってみましょう。霧吹きで葉に水をかける「葉水」をこまめに行うことで、乾燥を防ぎ、発生を抑制できます。被害が大きい場合は専用の殺ダニ剤を使用します。害虫対策の基本は、まず「早期発見・早期駆除」です。毎日、水やりなどの際に花の様子をよく観察し、虫や被害の兆候を見つけたらすぐに対処することが大切です。また、特定の薬剤ばかりを使っていると、虫に抵抗性がついて効きにくくなることもあります。いくつかの方法を組み合わせたり、ローテーションしたりするのも良いでしょう。焦らず、根気強く、あなたの花に合った対策を見つけていきましょう。