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本棚に潜む小さな住人その正体

久しぶりに本棚の奥から取り出した本を開くと、ページの間を小さな虫が這っているのを見つけて、思わず声を上げてしまった経験はありませんか。大切にしている本に虫がいるというのは、気分の良いものではありません。この「本の間にいる虫」の正体として最もよく知られているのが、チャタテムシやシミ(紙魚)といった種類の昆虫です。チャタテムシは体長が1ミリメートルから2ミリメートル程度の非常に小さな虫で、色は淡黄色や褐色をしています。湿気が多く、カビが発生しやすい環境を好み、本の装丁に使われている糊や、紙の表面に生えた微細なカビ、埃などを食べて生活しています。一方、シミは体長が8ミリメートルから10ミリメートル程度とチャタテムシよりは大きく、体が銀白色の鱗で覆われているのが特徴です。細長い体で、触角と尾の突起が目立ち、クネクネと素早く動き回ります。シミは本の紙自体や糊、表紙の布などを食害することがあり、本にとってはやっかいな存在と言えるでしょう。これらの虫は、高温多湿な環境、特に梅雨時や夏場に活動が活発になります。本棚が壁にぴったりとくっついていて風通しが悪かったり、部屋の湿度が高かったりすると、発生しやすくなります。彼らは本のページの間や、装丁の隙間、本棚の隅などに潜んでいることが多く、普段はなかなか気づきにくいかもしれません。これらの虫は人間を直接刺したり、病気を媒介したりするわけではありませんが、本の劣化を進めたり、アレルギーの原因になったりする可能性も指摘されています。大切な本を守るためには、まずこれらの虫の正体を知り、その生態を理解することが第一歩となります。

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