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巨大な足長蜘蛛との遭遇そして共生

あれは忘れもしない、蒸し暑い夏の夜のことでした。寝苦しさから目を覚まし、水を飲もうとキッチンへ向かった私。ぼんやりとした意識の中、壁に何か黒い影があるのに気づきました。最初は見間違いかと思いましたが、近づくにつれてその影がはっきりとしてきます。それは、私の手のひらほどもある、巨大な足の長い蜘蛛でした。アシダカグモです。その瞬間、私の眠気は一気に吹き飛び、全身が恐怖で凍りつきました。声にならない悲鳴を上げそうになるのを必死でこらえ、後ずさりしました。とにかく大きい。そして、長い足が不気味に蠢いているように見えます。どうしよう、殺虫剤はどこだ?でも、あんなに大きな相手にスプレーが効くのだろうか?パニックで頭が真っ白になりかけました。その日は結局、蜘蛛を刺激しないようにそっと寝室に戻り、ドアの隙間にタオルを詰めて眠りました。翌朝、恐る恐るキッチンを確認すると、蜘蛛の姿はどこにもありませんでした。しかし、あの恐怖は鮮明に記憶に残っており、しばらくは家の中を歩くのさえ怖かったのです。そんな時、インターネットでアシダカグモについて調べてみました。すると、意外な事実が分かったのです。彼らはゴキブリなどの害虫を食べてくれる益虫であること、そして人間に対しては臆病で、ほとんど攻撃してくることはないということ。その情報を知って、私の恐怖心は少し和らぎました。もちろん、あの大きさと見た目に対する生理的な嫌悪感が完全になくなったわけではありません。でも、「悪いやつではないんだ」「むしろ家の役に立ってくれているのかも」と思うと、見方が変わってきたのです。それから数ヶ月後、また別の場所でアシダカグモに遭遇しました。相変わらずドキッとしましたが、以前のようなパニックには陥りませんでした。「やあ、パトロールご苦労さま」と心の中で声をかけ、そっとその場を離れました。今では、彼らもこの家で共に暮らす同居人のようなものだと、少しだけ思えるようになりました。恐怖の対象から、共生の対象へ。知ることが、私の意識を大きく変えてくれた出来事でした。

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