マンションやアパートなどの集合住宅において、特定の住戸のベランダに鳩が巣を作ってしまうと、それが原因で思わぬご近所トラブルに発展することがあります。鳩の糞による悪臭や、美観の損ない、鳴き声による騒音、そしてダニや感染症といった衛生面での不安などが、隣接する住戸や階下の住戸にまで影響を及ぼす可能性があるからです。例えば、自分のベランダはきれいにしているのに、隣のベランダの鳩の巣から糞が飛んできたり、臭いが漂ってきたりすれば、不快に思うのは当然でしょう。また、鳩が頻繁に出入りすることで、他の住戸にも鳩が寄り付きやすくなるという問題も起こりえます。こうした状況を放置しておくと、住民間の関係が悪化し、深刻なトラブルにつながりかねません。集合住宅で鳩の巣の問題が発生した場合、まずは管理組合や管理会社に相談することが重要です。多くの集合住宅では、共用部分だけでなく専有部分（ベランダなど）における鳩対策についても、規約やルールが定められている場合があります。管理組合や管理会社が主体となって、専門業者による一斉駆除や防鳩対策工事を行う方が、個々の住戸でバラバラに対策するよりも効果的かつ公平な解決につながることが多いです。もし自分のベランダに巣を作られてしまった場合は、隣接する住戸への影響を考慮し、早めに管理組合や管理会社に報告・相談することが、トラブルを未然に防ぐための第一歩となります。逆に、隣の住戸の鳩の巣で迷惑している場合も、直接苦情を言うのではなく、まずは管理組合や管理会社を通して状況を伝え、対応を依頼するのが穏便な方法です。鳩の巣問題は、個人の問題として抱え込まず、集合住宅全体の課題として捉え、ルールに則って協力して解決していく姿勢が大切です。