ベランダやエアコンの室外機の裏などに鳩の巣を見つけた際、「自分で駆除できないか」と考える方もいるでしょう。専門業者に依頼すると費用がかかるため、自分で対処できればそれに越したことはありません。しかし、自分で鳩の巣を駆除するには、いくつかの重要な判断基準があります。まず最も大切なのは、前述の通り、巣の中に卵や雛がいないかを確認することです。卵や雛がいる巣を無許可で撤去することは法律で禁止されています。もし卵や雛がいる場合は、自分で駆除することはできません。巣立つまで待つか、自治体に相談する必要があります。次に確認すべきは、巣の場所です。手が届きやすく、足場が安定していて安全に作業できる場所にあるかどうかが重要です。高所や不安定な場所、狭くて作業しにくい場所にある巣の駆除は、転落などの事故につながる危険性が高いため、自分で行うのは避けるべきです。特に、屋根の上や壁面の隙間など、専門的な技術や装備が必要な場所は、プロに任せるのが賢明です。また、鳩の巣やその周辺には、糞や羽毛、巣材などに由来する病原菌や寄生虫、ダニなどが潜んでいる可能性があります。駆除作業を行う際には、これらの健康被害リスクを考慮し、適切な防護対策を講じることができるかどうかも判断材料になります。マスク、ゴーグル、手袋、長袖長ズボンといった装備をしっかりと準備し、作業後の清掃・消毒まで責任を持って行えるか自問してみましょう。さらに、鳩は巣への執着心が非常に強い鳥です。一度巣を撤去しても、適切な再発防止策を講じなければ、すぐにまた同じ場所に巣を作ろうとします。自分で駆除する場合、巣の撤去だけでなく、効果的な再発防止策まで実施できるかどうかも考慮に入れる必要があります。これらの点を総合的に判断し、少しでも不安や危険を感じる場合は、無理をせず専門の駆除業者に相談することをお勧めします。安全と確実性を優先することが肝心です。
自分で鳩の巣を撤去する前の判断