思い出すだけでも身の毛がよだつ、あの夏の夜の出来事をお話しさせてください。私は都内の中古マンションに一人暮らしをしているのですが、その日は仕事で疲れ果て、帰宅したのは深夜でした。電気もつけずに寝室へ直行しようとした、その時。足元でカサカサッという、聞きたくない音がしました。まさか…?恐る恐るスマートフォンのライトを床に向けると、そこには信じられない光景が広がっていました。数匹どころではありません。数十匹、いや、もっといたかもしれません。大小様々なサイズの黒い悪魔、ゴキブリたちが、床を、壁を、縦横無尽に這い回っていたのです。声にならない悲鳴を上げ、私はその場に凍りつきました。逃げ場はありません。どこもかしこも、ヤツらのテリトリーと化していました。パニックになりながらも、震える手で殺虫スプレーを探し出し、無我夢中で噴射しました。しかし、スプレーが当たったゴキブリは動きを止めますが、他のゴキブリは散り散りになって家具の隙間や部屋の隅へと逃げていきます。まるでモグラ叩きのような、いや、それ以上に絶望的な戦いが始まりました。薬剤の臭いが部屋に充満し、気分が悪くなってきます。それでも、ここで諦めるわけにはいきません。泣きそうになりながら、スプレーを噴射し、掃除機で死骸を吸い取り、床を拭き…。夜が明ける頃には、ようやく目に見える範囲のゴキブリはいなくなりましたが、私は心身ともに疲れ果てていました。翌日、すぐに害虫駆除業者に連絡し、徹底的な駆除と侵入経路の封鎖をお願いしました。原因は、隣の空き部屋で発生したゴキブリが、壁の隙間を通って私の部屋に侵入してきたこと、そして、私の部屋にもわずかながら餌となるものがあったことでした。あの悪夢のような体験以来、私は掃除とゴミ出しを徹底し、食品の管理にも細心の注意を払うようになりました。そして、どんなに疲れていても、部屋の隅々までチェックしてからでないと眠れません。ゴキブリの大量発生は、本当に突然やってきます。そして、一度経験すると、その恐怖は簡単には消えません。皆さんも、どうか油断しないでください。予防こそが最大の防御なのだと、私は身をもって学びました。
悪夢再びゴキブリ大量発生体験記