キクイムシの被害に遭わないためには、駆除だけでなく、そもそも寄せ付けないための予防策が重要です。家を建てる段階から、そして日々の暮らしの中でできる予防策を知っておきましょう。新築やリフォームを計画している場合、使用する木材選びが最初のポイントになります。キクイムシ、特にヒラタキクイムシは、含水率の高い新しい木材を好む傾向があります。十分に乾燥させた木材(KD材など)を使用することで、被害のリスクを低減できます。また、あらかじめ防腐・防虫処理が施された建材を選ぶことも有効な対策です。特に、被害を受けやすい広葉樹系のフローリング材などを採用する場合は、樹種や処理の有無を確認すると良いでしょう。すでに住んでいる家での予防策としては、まず湿度管理が挙げられます。キクイムシは湿気の多い環境を好むため、室内の湿度を適切に保つことが重要です。定期的な換気を心がけ、特に梅雨時や結露しやすい場所では除湿機を使用するなどして、湿度を60%以下に保つように努めましょう。床下の換気も重要です。換気口が物で塞がれていないか確認し、必要であれば床下換気扇の設置などを検討するのも良いでしょう。家具の配置にも一工夫。壁にぴったりと家具をつけてしまうと、その裏側に湿気がこもりやすくなり、キクイムシの発生を招くことがあります。壁から少し離して設置し、空気の通り道を作ってあげましょう。木製の家具や建具には、予防効果のある木材用防虫剤を定期的に塗布するのも有効です。ただし、薬剤によっては変色などの影響が出る可能性もあるため、目立たない場所で試してから使用してください。輸入家具やアンティーク家具、中古の木材製品などを購入する際は、キクイムシの被害がないか、虫孔や木粉がないかをよく確認することが大切です。もし被害の痕跡が見られる場合は、購入を控えるか、専門業者に駆除・防虫処理を依頼してから使用するようにしましょう。日頃からのちょっとした注意と対策が、キクイムシ被害を未然に防ぐことにつながります。