犬や猫などのペットを飼っているご家庭で、布団での虫刺されが発生した場合、「ノミ」が原因である可能性も考えられます。ノミは、主に動物の体に寄生して吸血しますが、環境中に落下した卵や幼虫が、カーペットや布団、ペットの寝床などで繁殖し、そこで羽化した成虫が人を刺すことがあるのです。ノミ刺されは、特に膝から下に集中して現れることが多いのが特徴です。足首やふくらはぎなどに、小さな赤い点が複数でき、非常に強いかゆみを伴います。時には水ぶくれになることもあります。ペットが体を痒がっていたり、皮膚に黒い粒々(ノミの糞)が付いていたりする場合は、ノミが寄生している可能性が高いでしょう。ノミによる虫刺されを防ぐためには、ペットへの対策と、住環境への対策の両方が必要になります。まず、ペットへの対策としては、動物病院で処方されるノミ駆除薬(スポットタイプや経口薬など)を定期的に投与することが最も効果的です。市販のノミ取りシャンプーや首輪だけでは、完全な駆除は難しい場合が多いです。獣医師に相談し、ペットの種類や体重に合った適切な薬剤を選んでもらいましょう。次に、住環境への対策です。ノミの卵や幼虫、蛹は、カーペットやソファ、家具の隙間、ペットの寝床などに潜んでいます。これらの場所を徹底的に掃除機で吸引することが重要です。掃除機の振動が蛹からの羽化を促す効果もあるため、駆除効果が高まります。吸い取ったゴミはすぐに密閉して捨てましょう。ペットの寝床や敷物は、こまめに洗濯し、できれば高温で乾燥させると効果的です。布団やカーペットも、天日干しや布団乾燥機、スチームクリーナーなどを利用して熱処理を行うと、ノミの卵や幼虫を死滅させることができます。被害がひどい場合は、ノミ駆除用の燻煙剤やくん蒸剤を使用することも有効ですが、ペットへの影響を考慮し、使用方法や換気などを厳守する必要があります。ペットと人間が快適に暮らすためには、日頃からのペットケアと、清潔な住環境の維持が欠かせません。