ゴキブリの赤ちゃんが部屋にいるという事実は、彼らがどこかで生まれ、育っている場所、つまり「発生源」が家の中にあることを示しています。彼らの根絶を目指すなら、まず敵の本拠地がどこにあるのかを知らなければなりません。ゴキブリの赤ちゃんが好む隠れ家には、共通した条件があります。それは「暖かく、暗く、湿気があり、そして餌場に近い」という四つの要素です。この条件が揃った場所こそ、彼らにとっての楽園であり、私たちの家の中には、そうした場所が無数に存在します。最も警戒すべきエリアは、やはりキッチンです。キッチンのシンク下は、配管からの湿気があり、暗くて食料カスも落ちやすいため、最高の営巣場所となります。コンロの周りや内部、ガス台の下なども、油汚れや食べかすが溜まりやすく、格好の餌場兼隠れ家です。そして、最大のホットスポットが冷蔵庫の裏や下です。モーターの排熱で常に暖かく、ホコリや食べかすが溜まりやすいため、巨大なコロニーが形成されていることも珍しくありません。電子レンジや炊飯器といった他の調理家電の周辺も同様に危険です。キッチン以外では、洗面所やお風呂場といった水回りも要注意です。常に湿気が多く、髪の毛や石鹸カスといった餌も豊富だからです。意外な盲点となるのが、段ボールです。通販などで届いた段ボールを放置していませんか。段ボールの波状の隙間は、保温性と保湿性に優れ、ゴキブリにとって最高の隠れ家であり、産卵場所にもなります。家具の裏や押し入れの奥、本棚にぎっしり詰まった本の隙間なども、人目につきにくいため好まれます。ゴキブリの赤ちゃんを見つけたら、まずはこれらの場所を重点的にチェックしてみてください。糞の痕跡や、卵の抜け殻などが見つかれば、そこが発生源である可能性は濃厚です。敵の潜伏場所を特定することこそが、効果的な駆除戦略の第一歩となるのです。