今回は、害鳥駆除の専門家である田中さん(仮名)に、作りかけの鳩の巣への正しい対応についてお話を伺いました。「ベランダに小枝が数本…これって鳩の巣の始まりですか?」というご相談は、春先から夏にかけて非常によく受けます。まさにその通り、それは鳩が巣作りを開始したサインである可能性が高いですね。この初期段階での対応が、後の被害を大きく左右します。「作りかけなら、自分で取っちゃっても大丈夫ですか?」という質問も多いですが、注意が必要です。まず絶対条件として、巣の中に卵や雛がいないことを確認してください。これらがいる場合は、鳥獣保護管理法で保護されているため、勝手に撤去できません。確認できず、卵や雛がいない場合のみ、ご自身での撤去が可能です。ただし、その際も必ずマスクと手袋を着用し、作業後は巣があった場所とその周辺を徹底的に清掃・消毒してください。鳩の糞には病原菌が含まれているリスクがありますから。「どのくらいの状態までなら自分で対応可能でしょうか?」これは難しい判断ですが、巣材がパラパラと置かれている程度であれば、ご自身での対応も可能でしょう。しかし、すでにお椀のような形になり始めていたり、巣材の量が多かったりする場合、あるいは高所や足場の悪い場所での作業は、安全のためにも私たち専門業者にご相談いただくのが賢明です。鳩は一度巣を作ろうとした場所への執着心が非常に強い鳥です。作りかけの巣を撤去しても、安心はできません。鳩が再び寄り付かないようにするための予防策が不可欠です。私たち業者は、巣の撤去と清掃・消毒はもちろん、お客様の建物の状況や景観のご希望に合わせて、防鳥ネットの設置、剣山やワイヤーの取り付け、忌避剤の塗布など、最適な再発防止策をご提案し、施工します。特に、防鳥ネットは物理的に鳩の侵入を防ぐ最も確実な方法の一つです。「費用が心配…」という声も聞かれますが、被害が深刻化してからでは、駆除や清掃にかかる費用も時間も、そして精神的な負担も大きくなります。作りかけの段階でご相談いただければ、比較的安価かつ短時間で対策できるケースが多いのです。見つけたら放置せず、まずは状況を確認し、少しでも不安があれば、早めに専門家にご相談ください。それが賢明な判断だと思います。