朝、目覚めると腕や足に赤い発疹ができていて、猛烈なかゆみに襲われる。そんな経験はありませんか。寝ている間に虫に刺されたのかもしれない、特に布団の中に何か潜んでいるのではないかと不安になりますよね。布団で起こる虫刺されの原因として、まず考えられるのが「ダニ」です。布団には人のフケやアカを餌とするヒョウヒダニ(チリダニ)が多数生息していますが、これらは人を刺しません。問題となるのは、ヒョウヒダニなどを捕食する「ツメダニ」です。ツメダニに刺されると、赤い小さな発疹ができ、強いかゆみが1週間ほど続くことがあります。刺される場所は、お腹や太ももの内側など、皮膚の柔らかい部分が多い傾向があります。次に疑われるのが「ノミ」です。特にペット(犬や猫)を飼っているご家庭では、ペットに寄生したノミが布団に入り込み、人を刺すことがあります。ノミ刺されは、主に膝から下、特に足首周辺に集中して現れることが多く、刺された跡が赤く点々と複数並ぶのが特徴です。かゆみも非常に強いです。そして、近年被害が増えているのが「トコジラミ(南京虫)」です。体長5ミリメートルから8ミリメートル程度の赤褐色の虫で、夜間に活動し、人の血を吸います。刺されると、赤い発疹と激しいかゆみが生じ、刺された跡が2つ並んだり、線状に並んだりすることがあります。首、腕、足など、肌が露出している部分が刺されやすいです。これらの虫は種類によって刺され方や症状に特徴がありますが、見た目だけで判断するのは難しい場合もあります。原因を特定することが、適切な対策への第一歩となります。