蜂の巣対策というと、どうしても巣の駆除や予防に目が行きがちですが、同時に蜂に刺されないための行動を心がけることも非常に重要です。特に蜂の活動が活発になる時期には、正しい知識を持って行動することで、刺されるリスクを大幅に減らすことができます。まず、蜂の巣を見つけたら、絶対に近づかない、刺激しないということが鉄則です。大声を出したり、手で払いのけようとしたりする行動は、蜂を興奮させ、攻撃を誘発する原因となります。静かに、ゆっくりとその場を離れるようにしましょう。特にスズメバチは警戒範囲が広く、巣に近づいただけでも威嚇してくることがあります。洗濯物を取り込む際や庭仕事をする際には、蜂がいないか周囲をよく確認する習慣をつけましょう。服装にも注意が必要です。蜂は黒い色や濃い色に反応しやすいと言われています。野山や蜂がいそうな場所へ行く際は、白っぽい服装を心がけましょう。また、香水や整髪料など、匂いの強いものも蜂を引き寄せることがあるため、避けた方が無難です。万が一、蜂に刺されてしまった場合の応急処置も知っておく必要があります。まず、安全な場所に避難し、刺された箇所を確認します。針が残っている場合は、ピンセットや毛抜きでそっと抜き取ります。指でつまむと毒嚢を押し潰してしまう可能性があるので注意が必要です。次に、刺された箇所を流水でよく洗い流し、毒を絞り出すようにします。口で吸い出すのは避けましょう。その後、患部を冷やし、抗ヒスタミン軟膏やステロイド軟膏を塗布します。腫れや痛みがひどい場合、または以前に蜂に刺されてアレルギー反応が出たことがある場合、気分が悪くなったり、息苦しさを感じたりした場合は、アナフィラキシーショックの可能性があるため、迷わず救急車を呼ぶか、速やかに医療機関を受診してください。蜂はむやみに人を襲うわけではありません。蜂の習性を理解し、適切な距離感を保つことが、共存と安全確保の第一歩です。