忘れもしない、一人暮らしを始めて半年が過ぎた夏の夜のことでした。シャワーを浴びてリビングに戻ると、壁に黒い影が。そう、まぎれもなくゴキブリでした。心臓が飛び跳ね、全身が硬直しました。パニックになりそうでしたが、ここで騒いだら余計に逃げられてしまう、そう自分に言い聞かせました。まずは深呼吸。幸い、手元には引っ越しの時に念のため買っておいた殺虫スプレーがありました。問題は、どうやって仕留めるかです。ゴキブリは動きが素早いと聞きます。下手に近づいて逃げられたら、どこに隠れたかわからなくなり、夜も安心して眠れません。私はスプレー缶をそっと手に取り、ゴキブリから少し距離を保ったまま、狙いを定めました。噴射口をしっかりとゴキブリに向け、一気に噴射。数秒間、集中してスプレーをかけ続けました。ゴキブリは最初は逃げ惑っていましたが、やがて動きが鈍くなり、ひっくり返って動かなくなりました。仕留めた、と思った瞬間、どっと疲れが出ました。しかし、これで終わりではありません。死骸の処理が残っています。直接触るのは絶対に嫌だったので、厚手のティッシュペーパーを何枚も重ねて、そっと死骸を包み込み、ビニール袋に入れて口を固く縛りました。そして、ゴキブリがいた場所とその周辺を、除菌スプレーを使って念入りに拭き掃除しました。あの恐怖と緊張感は、今でも忘れられません。この経験から学んだのは、まず冷静になること、そしてすぐに使える殺虫剤を常備しておくこと、最後に死骸の処理と清掃までしっかり行うことの重要性です。もちろん、一番良いのは遭遇しないことですが、万が一出くわしてしまった時のために、心の準備と対策グッズの準備はしておくべきだと痛感しました。一人暮らしの皆さん、他人事だと思わず、いざという時のシミュレーションをしておくことをお勧めします。
突然の遭遇ゴキブリへの冷静な対処法