ユスリカ対策において、殺虫剤などに頼る対症療法だけでなく、ユスリカが寄り付きにくい環境を proactively に作っていくことが、長期的な効果を得る上で重要です。ここでは、ユスリカを寄せ付けないための環境整備のコツをいくつかご紹介します。まず注目したいのが「光」の管理です。ユスリカを含む多くの飛翔昆虫は、光、特に紫外線や青色光に強く引き寄せられる性質(正の走光性)を持っています。この性質を利用し、屋外照明を見直すことが有効な対策となります。従来の蛍光灯や水銀灯は紫外線放出量が多いものが多いため、虫が集まりやすい傾向にあります。これを、紫外線放出量が少ないLED照明に交換するだけでも、誘引数を大幅に減らすことが期待できます。LEDの中でも、昼光色や昼白色よりも、暖色系の電球色の方が、より虫を寄せ付けにくいとされています。また、照明器具自体に紫外線カットフィルムを貼ったり、カバー付きのものを選んだりするのも効果的です。次に重要なのが「水」の管理です。前述の通り、ユスリカの幼虫は水中で発生します。家の周りにある不要な水たまりをなくすことが基本です。側溝の清掃はもちろん、庭に置かれた容器や、雨樋の詰まりなどもチェックしましょう。ベランダの排水溝も意外な発生源となることがあります。定期的な清掃を心がけ、水の滞留を防ぎましょう。建物の「色」も、わずかながら影響を与える可能性があります。一般的に、白や黄色などの明るい色は虫を引き寄せやすく、黒や紺などの暗い色は比較的引き寄せにくいと言われています。外壁の色を選ぶ際に、少し意識してみるのも良いかもしれません。さらに、家の周りの風通しを良くすることも、ユスリカが滞留しにくくなるため有効です。植栽を適切に剪定し、空気の流れを確保しましょう。これらの環境整備は、ユスリカだけでなく他の不快害虫対策にもつながる可能性があります。