網戸を埋め尽くす悪夢ユスリカ大量発生との戦い
私が住んでいるアパートは、すぐ近くに小さな川が流れています。普段はのどかな風景なのですが、特定の季節になると、悪夢のような光景が繰り広げられるのです。そう、ユスリカの大量発生です。ある年の初夏、いつものように窓を開けて換気をしようとしたところ、網戸が黒い点々で埋め尽くされていることに気づきました。最初はゴミか何かかと思いましたが、よく見るとそれは無数の小さな虫、ユスリカでした。ブーンという羽音こそしないものの、その数の多さに鳥肌が立ちました。窓を開けることすらためらわれ、せっかくの気持ちの良い季節なのに、換気もままならない日々が続きました。夜になると、明かりに誘われてさらに多くのユスリカが網戸に集まってきます。少しでも隙間があれば室内に侵入してきて、壁や天井にとまっているのを見ると、もう気が滅入ってしまいます。刺さないと分かっていても、あの姿と数は生理的に受け付けられませんでした。何とかしなければと思い、まずはドラッグストアで網戸用の虫除けスプレーを購入し、徹底的に吹き付けました。確かに一時的には寄ってくる数が減ったような気もしましたが、すぐに元通り。次に試したのは、玄関灯をLEDに変えることでした。虫は紫外線に集まる性質があると聞いたからです。これは多少効果があったように感じます。以前よりは玄関周りに集まる虫が減りました。しかし、根本的な解決には至りません。結局、その年はユスリカの発生シーズンが終わるまで、窓を固く閉ざし、換気は最小限にするという生活を強いられました。あの経験から、ユスリカ対策は発生源を断つことがいかに重要かを痛感しました。個人の努力だけでは限界があり、地域全体での取り組みが必要なのかもしれません。