米びつの中に、あの小さな茶色い虫、コクゾウムシを発見してしまった時、多くの人が頭を悩ませるのが「このお米、もう食べられないの?」ということではないでしょうか。虫がいたお米を食べるのは、正直言って気持ちの良いものではありませんよね。でも、だからといって、まだたくさん残っているお米を全て捨ててしまうのも、もったいない気がします。実際のところ、米虫に食われたお米は食べても大丈夫なのでしょうか?結論から言うと、コクゾウムシ自体に毒性はないため、虫やその糞、食害された米粒などを誤って食べてしまっても、直ちに健康に重大な害を及ぼす可能性は低いと考えられています。しかし、だからと言って積極的に食べることをお勧めするわけではありません。まず、衛生的な問題があります。虫の死骸や糞などが混入している可能性があり、アレルギーの原因となる可能性も指摘されています。また、虫に食害されたお米は、内部の栄養分が失われ、風味が著しく低下しています。炊きあがりもパサついたり、粉っぽくなったりすることがあります。では、どうすれば良いのでしょうか。もし、虫の数が少なく、被害が軽微な場合は、虫や被害粒を取り除くことで食べるという選択肢も考えられます。その場合、まずお米を新聞紙などの上に広げ、虫や黒っぽく変色した被害粒、粉などを丁寧に取り除きます。その後、お米を研ぐ際に、浮いてくる虫や軽い被害粒を洗い流します。ただし、この方法では、米粒内部にいる幼虫や卵を完全に取り除くことはできません。もし、虫が大量に発生している場合や、お米が全体的に粉っぽくなっている場合、あるいは衛生面や風味が気になる場合は、残念ですが食用にするのは諦めて、処分するのが賢明でしょう。処分する際は、虫が他の食品に移らないように、ビニール袋などに入れてしっかりと口を縛ってからゴミに出しましょう。食べるか、捨てるか。最終的な判断は個人の感覚によるところが大きいですが、衛生面と風味の劣化を考慮して、慎重に判断することが大切だと思います。そして何より、今後は虫が発生しないように、予防策を徹底することが重要ですね。