バルサンを使用して害虫駆除を行った後、気になるのが家具に残った薬剤や死骸の処理です。せっかく害虫を駆除できても、後片付けを怠ると、薬剤による健康被害やアレルギーの原因になる可能性もあります。家具がある部屋でバルサンを使った後の正しい掃除方法について、ポイントを押さえておきましょう。まず、最も重要なのは「十分な換気」です。バルサンの使用後は、製品の説明書に記載されている時間(通常2〜3時間以上)が経過してから部屋に入り、窓やドアを全開にして、室内の空気を完全に入れ替えます。換気扇も回し、最低でも30分以上、できれば1時間以上はしっかりと換気を行いましょう。薬剤の粒子がまだ空気中に漂っている可能性があるので、換気が終わるまでは部屋の中に長時間いないようにし、マスクなどを着用するとより安全です。換気が十分に終わったら、次は「掃除機がけ」です。床や畳、カーペットの上には、害虫の死骸や、薬剤の微粒子が付着したホコリなどが落ちている可能性があります。部屋の隅々まで丁寧に掃除機をかけ、これらを吸い取りましょう。家具の隙間や裏側、ソファやクッションなどの布製品にも掃除機をかけると効果的です。吸い取ったゴミは、早めにゴミ袋に入れて口を縛り、処分します。次に、「拭き掃除」を行います。特に、テーブル、椅子、ドアノブ、手すりなど、人が直接手で触れる機会が多い場所や、床などは、固く絞った雑巾で水拭きをしましょう。薬剤の成分が残っている可能性があるため、念入りに拭き取ることが大切です。小さなお子さんやペットがいるご家庭では、床全体を水拭きしておくとより安心です。木製家具なども、表面を軽く水拭きしておくと良いでしょう。ただし、水拭きが適さない素材(無垢材の一部や特殊な塗装など)の場合は、乾拭きで対応します。食器棚や食品庫の扉を開け、内部に薬剤の臭いがこもっていないか確認し、必要であれば換気や拭き掃除を行います。最後に、養生のためにかけていたカバーなどを片付けます。カバーに付着した薬剤やホコリが飛散しないように、静かに取り扱いましょう。これらの掃除を丁寧に行うことで、バルサン後の部屋を安全で快適な状態に戻すことができます。