アシナガバチの初期巣を自分で落とすと決めたら、事前の準備が成功と安全を大きく左右します。思いつきで軽装のまま作業に取り掛かるのは絶対にやめましょう。まず最も重要なのが、身を守るための服装です。蜂は黒い色や濃い色、そして動くものに攻撃する習性があります。そのため、服装は白や明るい色のものを選び、肌の露出を徹底的になくすことが基本です。長袖、長ズボンはもちろん、帽子(できれば顔全体を覆える防虫ネット付きのもの)、首元を守るタオル、そして厚手の手袋(軍手ではなく、ゴム手袋や皮手袋など、針が貫通しにくいもの)を必ず着用しましょう。雨合羽や作業用のつなぎなどを上から着ると、さらに防護性が高まります。足元もサンダルなどは避け、長靴や運動靴を履きましょう。次に、駆除に使用する道具です。主役となるのは殺虫スプレーです。必ず「アシナガバチ用」または「ハチ用」と表示された、強力なジェット噴射タイプの製品を選びます。予備も含めて2本用意しておくと安心です。噴射距離が長いもの(最低でも3メートル以上)を選び、離れた場所から安全に作業できるようにします。また、駆除後に巣を落とすための長い棒(物干し竿など)も用意しておきましょう。そして、駆除を行う時間帯の選定も準備の一つです。蜂の活動が鈍る日没後2〜3時間経った夜間が最適です。周囲が暗いため、懐中電灯が必要になりますが、強い光は蜂を刺激する可能性があるため、赤いセロファンを貼るなどの工夫をすると良いでしょう。最後に、精神的な準備も大切です。落ち着いて、手順通りに作業を進めることが重要です。万が一、蜂に襲われた場合の避難経路も事前に確認しておきましょう。これらの準備を怠らず、万全の態勢で臨むことが、アシナガバチの初期巣を安全に落とすための鍵となります。