それは、新築で購入してまだ3年目の我が家での出来事でした。ある日、リビングの隅、壁際に置いていた観葉植物を動かしたとき、床にパラパラと白い粉が落ちているのに気づきました。最初はホコリか何かだろうと、掃除機で吸い取って気にしていませんでした。しかし、数日後、また同じ場所に同じような粉が溜まっているのです。「これはおかしい」。よく見ると、それはまるで小麦粉のように非常に細かい木材の粉でした。そして、フローリングの表面には、針で刺したような小さな穴がいくつか開いています。まさか…?不安になってインターネットで検索すると、「キクイムシ」という言葉が目に飛び込んできました。症状がまさに一致しています。新築なのに、なぜ?どこから?頭の中はパニック状態でした。とにかく何とかしなければと、ホームセンターでキクイムシ用の殺虫スプレー(穴に注入するタイプ)を買ってきました。週末、マスクと手袋で完全防備し、説明書通りに穴という穴に薬剤を注入していきました。しかし、穴は思ったよりも多く、薬剤の臭いも結構きつく、換気しながらの作業はなかなかの重労働でした。これで大丈夫だろう、と一安心したのも束の間。数週間後、別の場所からまた新たな木粉が…。どうやら、被害は思っていたよりも広範囲に及んでいるようでした。これは素人では手に負えないかもしれない。そう悟った私は、意を決して専門の駆除業者に連絡を取りました。業者の方はすぐに調査に来てくれ、床下の状況なども確認した上で、被害の範囲と原因となっているキクイムシの種類(ヒラタキクイムシでした)を特定してくれました。そして、床下からの薬剤散布と、床材への穿孔注入処理を組み合わせた駆除プランを提案してくれました。費用は安くはありませんでしたが、このまま放置するわけにはいかないと、駆除をお願いすることに。作業は一日で終わり、その後は定期的な点検もしてくれました。あれから数年経ちますが、今のところ再発はありません。あの時の経験から、キクイムシの被害は決して甘く見てはいけないこと、そして迷ったら早めにプロに相談することの重要性を痛感しました。
恐怖床から謎の白い粉キクイムシとの戦い