正直に告白します。私は、蜘蛛が大の苦手です。特に、家の中で遭遇する足の長い蜘蛛、アシダカグモなんて、見つけた日には心臓が止まりそうになります。益虫だとか、臆病だとか、そんな理屈は分かっていても、あの見た目と動きがどうしてもダメなのです。きっと、私と同じように蜘蛛恐怖症(アラクノフォビア)とまではいかなくても、蜘蛛に強い嫌悪感を抱いている方は少なくないはずです。そんな私が、家の中の足長蜘蛛とどう向き合っているか、少しお話しさせてください。まず、基本戦略は「見ないふり」そして「遭遇しない努力」です。幸い、我が家には蜘蛛退治担当の夫がいるので、もし見つけてしまった場合は、すぐに夫にSOSを発信します。夫がいない時は…正直、その部屋には近づけなくなります。なので、日頃から蜘蛛に遭遇しないための予防策には力を入れています。窓やドアの隙間は徹底的に塞ぎ、網戸のチェックは欠かしません。家の周りも、蜘蛛が隠れそうな場所を作らないように、こまめに掃除しています。それでも、やつらはどこからか侵入してくるんですよね…。遭遇してしまった時のために、手の届く場所に蜘蛛用の殺虫スプレーは常備しています。本当は使いたくないけれど、夫が不在で、どうしても我慢できない時の最終手段です。ただ、最近少しだけ考え方が変わる出来事がありました。ある時、キッチンの隅で小さなゴキブリの死骸を見つけたのです。そのすぐ近くの壁には、アシダカグモがじっとしていました。もしかして、この子が退治してくれたのかも…?そう思うと、いつもは恐怖の対象でしかなかった蜘蛛が、少しだけ頼もしく見えたのです。もちろん、だからといって蜘蛛が好きになったわけではありません。相変わらず怖いし、できれば会いたくない。でも、彼らなりにこの家で役割を果たしているのかもしれない、と思うと、むやみに怖がるだけではなく、もう少し冷静に見られるようになった気がします。恐怖心を完全になくすのは難しいけれど、知識を得て、彼らの存在理由を少し理解することで、折り合いのつけ方が見つかるのかもしれません。