私たちは、害虫駆除の専門家である「クリーンライフサービス」の佐藤さん(仮名)に、家庭でのヒメカツオブシムシ対策について伺いました。「ヒメカツオブシムシは、衣類害虫として非常にポピュラーで、ご相談も多い害虫の一つですね」と佐藤さんは語ります。「特に、気づかないうちに被害が広がっているケースが多いのが特徴です」。プロの視点から見て、ヒメカツオブシムシが発生しやすい家にはどんな特徴があるのでしょうか。「やはり、掃除が行き届いていない、物が多い、換気が不十分といった環境が挙げられます。幼虫の餌となる埃や髪の毛、繊維くずが溜まりやすく、また、幼虫が隠れる場所も多くなってしまうからです。特に、長期間着ていない衣類がしまいっぱなしになっているクローゼットや押入れは要注意ですね」。家庭でできる最も効果的な駆除方法は何でしょうか。「基本は、やはり徹底的な清掃です。幼虫は暗くて狭い場所に潜んでいますから、掃除機で隅々まで吸い取ることが重要です。被害にあった衣類は、洗濯や熱処理(乾燥機やアイロン)で幼虫を死滅させましょう。ただ、被害が広範囲だったり、発生源が特定できなかったりする場合は、我々のような専門業者にご相談いただくのが確実です」。専門業者はどのような駆除を行うのですか。「まず、発生状況を詳しく調査し、生息場所や被害範囲を特定します。その上で、状況に応じて薬剤処理を行います。例えば、クローゼットや押入れの内部、カーペットの下などに、安全性の高い残留性の薬剤を散布したり、空間全体に薬剤を行き渡らせる燻蒸処理を行ったりします。燻蒸処理は、家具の隙間など、手の届かない場所に潜む幼虫にも効果的ですが、事前の準備や後片付けが必要になります」。再発防止のためには何が重要ですか。「駆除後の環境維持が何よりも大切です。こまめな清掃と換気を心がけ、衣類は汚れを落としてから収納し、防虫剤を適切に使用すること。食品類も密閉容器で保管するなど、幼虫の餌となるものをなくす努力が必要です。また、成虫が屋外から侵入するのを防ぐために、窓に網戸を設置したり、ドアの開閉を素早くしたりすることも有効ですね」。最後に佐藤さんは、「ヒメカツオブシムシは根絶が難しい害虫ですが、正しい知識を持って、根気強く対策を続ければ、必ず被害を減らすことができます」とアドバイスしてくれました。
害虫駆除の専門家に聞くヒメカツオブシムシ対策